GPSの感度と精度について

 陵墓の位置を記録したり、ナビ代わりにGPSは欠かすことができません。そこで私が所有しているGPS3機種の感度と精度を比較してみました。

比較したGPSについて

(1)GARMIN OREGON 450TC
 2010年8月に購入した登山用のGPSです。値段は約10万円(10m等高線入り全国版地形図と詳細道路マップ込み)とかなり高額ですが、高度計や電子コンパスも内蔵されており、日常生活防水性能や、単3電池2本で16時間(カタログ値)使用できる点もアウトドア使用において重宝しています。

(2)HOLUX m-241
 2008年12月に購入し、以後写真撮影時には必ず携行し、撮影した場所を同定するのに活躍しています。小型でリーズナブルなところが気に入っています。

(3)GALAXY Tab
 2010年12月に購入したタブレット端末です。Googleマップが使える大画面端末で、街中の陵墓探訪はこれ1台あれば十分と言えるくらい機能が豊富です。
 左から
  GARMIN OREGON 450TC
  HOLUX m-241
  GALAXY Tab

ルート

 2011年1月22日(天候晴)の京都のJR嵯峨嵐山駅から地下鉄今出川駅までの陵墓探訪ルートの記録データ(サンプリング間隔5秒)を比較しました。このルートは郊外、山中、街中、徒歩、車中と様々な条件が含まれています。

 ・JR嵯峨嵐山駅→有智子内親王墓→嵯峨陵→有智子内親王墓→嵐電嵯峨駅(徒歩)
 ・嵐電嵯峨駅→帷子ノ辻駅→等持院駅(電車)
 ・等持院駅→真如寺→堀河天皇火葬塚→北野白梅町バス停(徒歩)
 ・北野白梅町バス停→千本今出川バス停(バス)
 ・千本今出川バス停→浄福寺→今出川浄福寺バス停(徒歩)
 ・今出川浄福寺バス停→烏丸今出川バス停(バス)

 以下の地図上の赤ラインがGARMIN OREGON 450TC、黄ラインがHOLUX m-241、青ラインがGALAXY Tabです。
 GARMIN OREGON 450TCとHOLUX m-241はザックの左右のショルダーベルトに引っかけて使用し、GALAXY Tabは歩行時は手に持ち、写真撮影時と電車・バスの中ではジャンパーのポケットに入れていました。

GARMIN OREGON 450TC,  HOLUX m-241,  GALAXY Tab

結果

 一番成績が良かったのはGARMIN OREGON 450TCでした。電車・バスの中でも衛星をロストせず、GPSが苦手な谷歩きの嵯峨陵の山道も問題ありませんでした。全体的に大きくルートを外すことはなく安定した精度を保っていました。さすがに値段が高い最新機種だけあります。しかし値段が10倍だからといって精度が10倍良いというわけではありません。

 HOLUX m-241は電車・バスの中でも衛星をロストしなかったので感度は高いと言えます。購入した当初、通勤電車や東京出張の新幹線の中でルートを記録したのですが、トンネル以外は衛星をロストせずずっと現在地を記録できていました。今回のルートでは嵯峨陵から嵐電嵯峨駅まで戻る途中で大きく西にずれてしまっており、残念な結果となりましたが、今までの他の記録結果を見てもこれほど大きくずれたことはほとんどありませんでしたし、通常用途には十分な性能を持っています。発売してから時間が経っているのでそろそろ新機種が出てもよい頃だと思います。

 GPS内蔵タブレット端末のGALAXY Tabは、正直あまり期待していなかったのですが、意外と健闘しています。手に持って地図を見ながら歩く場合、現在地が大きくずれていたことは一度もありませんでしたし、嵯峨陵の山道もロストしていないことから十分実用に耐える性能を有しています。電車・バスの中では時々衛星をロストしていますが、別の日に新幹線の窓際の席で手に持って使用した時も衛星をロストしがちだったので、感度は他の2機種に比べて若干低いのかもしれません。

 この結果はほんの一例であり、GARMIN OREGON 450TCもザックの中に入れたままでは他の2機種より精度が悪かった時もあります。GPSは微弱な電波を受信して位置を計算していますので、何かで覆ったりせずアンテナが天空を向くように使用しないと、どんな機種でも満足のいく性能が得られなくなってしまいます。また、高層ビルに囲まれた場所や電波が水に吸収されてしまう雨の日もGPSが苦手とする条件です。こういった条件では誤差が大きくなることを頭の片隅に置いて使いましょう。

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